カロリーアンサーコラム
黄昏 Beginning Communicate 第23回 2017年7月24日

豆腐はさておいて 「走る」 目撃 日本

京都や大阪での営業機会が多いのですが、目当ての豆腐を探すのが意外としんどいのです。緊張感に溢れた数時間の後に重い鞄を持ち雑踏を進もうとしても、鉛の靴を履いているようで目指している方向には近づいて行きません。

一方でそういう目的から解放されている地域を訪問した時は、呑み助の放浪癖が顔をもたげ足取りは軽やかになるんですね。いつ、知識を仕込んだのかは定かでありませんが、訪れた土地の酒や肴(あて)について澱むことなく脳裏に浮かび今夜の段取りは進んでいきます。仕事の首尾もこんなにスムーズだったらといつも思ってはいますが…難しい問題です。

先日、某市で夜のマーケティング中に「火男(ひょっとこ)」という居酒屋の看板に吸い寄せられるように入店。宇崎竜童に似た風貌の大将に若い衆が数名、カウンターやボックス席のほか奥の方には座敷もあるようで間口の割に奥行きが長いという京都を思わせる造りでした。

カウンターで(もちろん、独りですよ!)「林」という地酒を注文しゴクリ(五臓六腑に染みわたる柔らかくてやや辛口)。キトキト(刺身)と塩スジ煮込み、おでんなどを肴にどんどん進みます。

「勝駒かちこま」から「火男」オリジナルまで明日なき暴走は止まりません。呑み助の気分なんです、家族(家内)にここに居ると酒肴の写真をメールで送っても反応なし!分かりきってはいるんですが、身寄りのあるところを知って欲しくて、行く先々で返信の無い作業を繰り返す。それでいいじゃないか。

ここから本題。知的障碍者のあるアスリート川上春奈。

通っていた特別支援学校の恩師に見いだされ、陸上競技の練習を開始。重い障害なので指導する恩師も意思の疎通に苦労したものの、次第に「うさぎ」と言えば両足跳び、「ウルトラ」とえば全速力、などと彼女に適したコミュニケーションを見つけ、効果的な練習ができるように。

やがて、より専門の指導者に導かれリレー選手に選抜。タイ国で開催された世界知的障害者陸上競技選手権において見事に銀メダル…拍手!まるで母親のような?気持ちで「走れ、頑張れ」と心の中で叫んでいました。

たった数秒の映像の後に目頭を濡らし拳を握りしめている私でした。

続く…。

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