カロリーアンサーコラム
黄昏 Beginning Communicate 第14回 2017年1月18日

お正月とブリコの思い出

明けましておめでとうございます、本年もどうぞよろしくお願いします。

青森や秋田では冬になるとハタハタという魚を食べます。東京ではまず口にすることはありませんが「しょっつる」という魚醤はご存知かと思います。鱗の無い魚でネギや凍み豆腐と一緒に煮付けると身が骨からはがれやすくなるので何匹でも食べられます。

小さい時はおやつの代わりにナイロンの袋に入れた「ぶりこ(ハタハタの卵)」をよく持たせられました。海藻に産み付けられた卵巣が波に揉まれ乍ら海岸に打ち上げられるのですが、それを獲る(拾う?…漁業関係者以外は密漁になります)のです。

出汁醤油でさっと煮て冷ましたものを再び出汁醤油に一晩くらい浸けて卵の汁に味をしみ込ませたものを噛みますが(ガムのように)実に美味い。

しかし、顎がメチャクチャ疲れます!特に煮過ぎると卵の表皮が硬くなりガムよりも硬い食べ物になります。ボリボリガリガリと噛むごとに煮汁が口の中で弾け一粒残らず空にした殻を見せ合って食い方が上手なんてアホな自慢もしました。

はるか昔、世の中は寛容でした。鰺ヶ沢という海岸へ仲間みんなで「ぶりこ」を拾いに。今で言うゴミの袋に片っ端から拾い集め各々が3袋以上の収穫でした。

お袋に褒められたい一心で拾ったのですが袋から開けて見せた瞬間に般若のような形相で怒られました。漁師が収穫した後の砂まみれの「ぶりこ」でした。真冬に冷たい真水で洗う訳ですが砂を丁寧に落とさないと食べた時に砂を「ガリッ!」と噛むのでは食べ物になりませんよね。全部捨てました。

産卵前の所謂、内子で腹が膨れている雌を味噌田楽にして焼いて食べると絶品、雄はお酒と醤油を合わせた漬け汁に一晩浸して焼いて食べますが一度に十匹は軽く食べられますよ!(熱いうちだと中骨がすぅ~っと抜けますから)魚を食べてDHAやEPAを摂取しましょう、細胞の老化以上に脳ミソの劣化が気になる私から新年の挨拶でした。

続く…。

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