カロリーアンサーコラム
黄昏 Beginning Communicate 第17回 2017年4月4日

雉の大鍋 1

旅のお伴ついでですが、はるか若き頃に仕事の都合で山野を駆け巡ることが多かった。目の前に突然現れたニホンカモシカと対面した時はびっくりして、山になぜ黒豚がいるのかと（そもそも当時、黒豚を間近で見たことがあったか定かではない）真っ黒く濡れた鼻づらに（お互いが）焦った記憶が。

いつかの春にちょうどシラネアオイが咲く頃であったか、猿面エビネが咲いていた頃かは忘れたが細い山道を辿っていた時に傍らで何かが動く気配がした。

振り返っても景色は止まったまま、でも何かが居るのである。少し山道を戻ると斜面側の藪に雉が巣作りし卵を抱いていた（この時点で多分）。頭の中には女衆（お袋とのちの嫁）が雉の大鍋（ゴボウやネギ、白菜にマイタケなどと一緒に出汁で煮込み醤油で味付け）を二人だけでウマイウマイと空にした時の笑顔が浮かんでいた。

作業服を脱ぎ（こうなったら、親も子も！）ダアーっと被せたつもりが雉はこちらのオドオドした気持ちを見抜いていたのか、すうーっと隙間から逃げていった。残念！でも卵は14個も有る（同僚の田中兼吉君が言う事には雉は必ず一回に14個なす…生むの意味…だから10個獲っても直ぐに足りない分をなすと言っていたことを思い出し）。当時、川村進君が飼っていたチャボに托卵させクリスマスには雉鍋にキジのローストにと幸せな瞬間を夢見ていたのである。

ちなみに女衆がペロリと平げたキジの大鍋を思い出しながらカロリー計算をしてみた。

野菜が主でキジ肉は脂肪分が少ないので意外とヘルシーではあるが何せ二人で鍋を空にしたんですよ（私もホントは食べたかった…トホホ！）

二人でつゆ一滴も残さず平げたので1,278kcalです。一人前にしたら639kcalですからペロリといっちゃいますね。

続く…。

• << 前へ
• 一覧に戻る
• 次へ >>