「第6回 近赤外線栄養成分測定研究会」のご報告 2017年11月5日
2017年11月4日、実践女子大学 渋谷キャンパスにて。
(株)ヤオコー様と(株)ジョイ・ワールド・パシフィックより、カロリーアンサーの事例が発表され、実際の現場においてカロリーアンサーがいかに活用されているかが実感できました。
特に、(株)ヤオコー様の事例は、カロリーアンサーを「徹底的」に使うことによって、「原材料・工程・品質の管理」およびに「お客様との信頼関係構築」に役立てられているという、まさに最先端の活用事例でした。弊社が普段お客様にお伝えしている「栄養成分自動測定器」としての価値を何歩も先行くその活用方法は、本来なら社外秘であってしかるべきであり、公開を感謝して学ばせていただくとともに、多くのお客様に是非知っていただきたいと感じています。いただいた「(カロリーアンサーは)手放せないもの」という言葉は、大変光栄であり感無量でした。
発表終了後の質疑応答では、発表者も質問者もカロリーアンサーを日頃実務で使っている方同士であったため、熱気を帯びた具体的かつ切実なやりとりが行われました。
「近赤外線測定の取り組み」
伊藤 哲也氏(株式会社ヤオコーデリカ・生鮮センター
品質管理担当マネージャー兼生産管理担当マネージャー)
ヤオコーの経営理念である「食生活を豊かにする」という目的がありお客様からの要望の高い、栄養成分表示の取り組みを5年も前より取り組みがされています。
2台のカロリーアンサー機器を使用し、計測をする中で、商品のバラツキが、栄養成分表示にも誤差を与えることを把握し、栄養成分を計測した時のロット毎の誤差を無くす取り組みをしていました。誤差をなくす為のポイントは、原材料の選定、工程管理を行うことでの品質の安定。特に重要な所については、測定と記録を取っています。記録と測定は担当スタッフへの教育・訓練を行い、力量の認定をすることで、働くスタッフのモチベーションも向上させていました。
通販などの無店舗型販売、CVS、大量仕入れ型ロープライス販売などライバルが群雄割拠している中で店舗でフェイストゥフェイスでお客様の要望に応えて行くというキメ細やかな対応が「オンリーワン」ストーリーに繋がっていくことを学びました。
「カロリーアンサーの使用実例紹介」
岩渕 好隆氏(株式会社ジョイ・ワールド・パシフィック 営業部長)
数社の事例を発表していただきました。
多店舗展開における「店内調理の変化点管理」「味&品質のバラツキ」を、いかに克服していったか。その際にカロリーアンサーが果たした役割。
水産加工会社が、深海魚等の流通に載せていなかった魚を、カロリーアンサーを用いることでいかに付加価値付けしていったか。
医療や介護の現場において、入居者の嚥下機能低下や加齢などによる食事量の減退時に、カロリーアンサーで「食べ残し」を数値化することで健康の維持管理に役立てられているという事例。
「前処理としての粉砕度合いとセルへの詰め方」
山田課長・坂本係長(株式会社ジョイ・ワールド・パシフィック)
測定前に行う食品粉砕の実演と説明をいただきました。
測定結果への影響が少なくないにも関わらず、どこまで粉砕すれば良いのか目安を共有しづらいことが、以前より課題となっていました。
粉砕度合いに加えて、可食部という考え方や縮分の重要性なども分かり易く説明していただきました。お客様へのご説明に役立てたいと思います。