カロリーアンサーコラム
黄昏 Beginning Communicate 第8回 2016年10月4日

秘密の食事⑥ A子の場合

ついに28日の締切りに間に合わなかったようです。意気消沈かと思えばそんな事はなく、かる~く「次回もあると思うわ」って。

「何が邪魔したの?」「実は私、みりんに慣れていなくて分量の配分にかなり手間取っていたの」と。

「秘密の材料の⑩は何?」「エダマメ!」「なんで?」「小さい時にお爺さんが川から左のハサミに毛がいっぱい生えていた蟹を獲って来るんだけど、大きなすり鉢に入れて甲羅ごと潰すの。ザルで濾しながらタタキ汁を作る要領ね。味噌味で仕立てるけど豆腐もエダマメも擂って入れるの。ニラも彩りよく見えた気が?」

「最後に卵でとじて出来上がりだけど、フワフワで今でもこの世で一番美味い料理だと思っているわ!私はお爺さんの膝の上でフーフー言いながら食べていた。近所のおじさんたちもいっぱい居て賑やかだったな。今はそんな手間暇かけて誰も料理しなくなったけど、お爺さんがエダマメだけは絶対に忘れてはダメダって言っていたのが記憶にあったからチョイスしたの」

「A子、レシピの完成を待っていますよ~!」

久しぶりに故郷へ、いつ読んだのか忘れましたがバドダブルスで活躍した潮田玲子さんのブログが印象に残っていました。「泣きたいのは母ちゃんも一緒」というもの。

一歳ちょっとの男の子が歩きたいと「ゴンボ掘って…方言で駄々をこねるとか聞き分けがないという時に使います。大人にもいますよ」。電車の中で抱いてもあやしても泣き止んでくれなかったというもの。

ちょうど同じ光景を目の前で。始発の駅から20分ほど火が付くように泣いていました。それこそ立ってあやしてデッキの方へ移動しても泣き止みません。

男では絶対に無理!若いママも途方に暮れているようでしたが、この二足歩行イヤダイヤダ科の生物は本当に扱いが難しい。思わず「大変だね」と声をかけましたがちょこんと頷いてくれました。

実家に帰ると似たような年頃の孫がおります。機嫌を取ろうとして自分の子供にさえ作ってあげた事のない折り紙細工をしたり…。

でも、まるで泥棒に入られた跡かたのような我が家。風呂の中で泣き止まない孫が心配でワイフに「ちょっとみてこいよ!」すかさず行きましたが「大丈夫、娘いわくリリーは今、何もかにも嫌になっているだけ」とケロリとしたもんです。でも、仕事の都合で娘がいない時など夜泣きをしてどうにも止まない時は2時だろうが3時だろうがチャイルドシートに乗せて深夜にドライブしながらあやすんだそうです。「大変だな!」「エェ、飲めなくて」ムム(笑い)女には本当に敵いません。

ちなみこの二足歩行不規則生物と半日も付き合うと88kgの私は息も絶え絶えで約1,450kcalほどエネルギーを消費します。電池の切れたロボットのように孫はネンネしますが傍らには、ぐったりの私がいて。休暇のつもりでしたが?

ページの先頭へ↑