カロリーアンサーコラム
黄昏 Beginning Communicate 第39回 2018年5月9日

池袋かぶとの鰻

池袋駅の西口から徒歩5分、食べログの鰻屋ランキングにおいて全国一位に位置するこのお店。

初めての問合せが去年の夏、お互いの都合で延び延びになり遂にカロリーアンサーを持ち込んで鰻の実測です。

かぶとの大将は「先代が守ってきた鰻の食べ方をさらに進化させて、()() の人が納得できるような説明も行って行きたい」「養殖と天然物の違いを、外観だけでなく科学的な成分の違いまでお客さんに訴えて行きたい」と熱く語っていらっしゃいました。

鰻を頭から尻尾の部分まで食べて貰うというコース形式で提供しており、定休日である木曜に内臓や頭などの処理(仕込み)を行っていました。鰻と言えば蒲焼や白焼き、せいぜい肝串しか食べた事が無かったので、かしら焼き、エリ焼き、レバー、尻尾焼きなど、興味深く仕込みに見とれていました。

ちなみに、生で食べるとアタルという事でマッチ棒の先ほどの心臓は生を噛まずに呑み込んで貰うのだと。

今日はいよいよそれらの実測です。

この度の企画は大将の意気に応えて、カロリーアンサー自身の勉強の為に奉仕するという位置づけです。誰もが知っているようで知らない鰻の秘密に迫れると思うと、子供の頃にクワガタ探しに烏山を探検した時のような気分でした。

大将との打合せで鰻の部位を八つに分け、生とタレを付けた状態の二通りを測定して、栄養価が味覚や昔からの概念と一致しているかを調べました。

産卵を迎える秋になっても雄雌の区別がつかない事、天然物が川魚の生態では頂点に立っている事、何年物かの区別がつかない事などなど。日本人の好物の割に得体が知られていないという不思議な魚です。

タレが鰻の脂と相まって炭火で弾けたときにほとばしる匂いに耐えられる人などいるのでしょうか。でも、残酷な事に一口も食べずにフードプロセッサーの餌食となり測定の開始です。

大将の秘密にしておきたいので多くは明かせませんが、養殖物に関しては概ね標準成分表に近い値でした。

しかし、一般の魚がハラス(所謂ムナビレ付近)に脂が乗り旨みを醸しだしているのに対し、鰻のムナビレは申し訳程度、泳ぐときは尻尾を中心に下半身?をくねらせ進むそうで筋肉も発達しているとか。

実際にハラスの部分と尾の身に近い部分を測定し比較したところ、何と尾の身の方が16%ほどハラス部分よりカロリーが高い事が実証出来ました。

運よくこのレポートを読まれた方は、尾の身を選びハラス側を同伴者や奥方に譲ってあげたら粋な方とでも思われるかも。

次回の日取りは未定ですが、天然物が入荷次第、同様の検証を行う予定です…乞うご期待!

続く…。

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